京成電鉄と北総鉄道は2023年11月25日(土)に京成線・北総線でダイヤ改正を実施し、「スカイライナー」を増発して成田空港から都心方面へのアクセスを強化するほか、北総線内の利便性向上のため列車の運転区間を延長します。
「新鎌ヶ谷停車」のスカイライナー増える
増発されるスカイライナーは成田空港駅を22時台に出発する上り京成上野駅行1本です。同駅22:00発から最終の23:00発までを20分の等間隔運転とすることで、LCCなど夜間到着便からの利用者の需要に応えます。
また、増発列車を含む22時以降のスカイライナーはすべて途中の新鎌ヶ谷駅と青砥駅に停車します。両駅に停車するスカイライナーは2022年11月のダイヤ改正で初めて設けられましたが、今回の増発で北総線沿線や柏・松戸エリアの成田空港アクセスがさらに便利になります。
成田空港駅発の都心方面列車ではそのほか、京成本線経由で最終の優等列車となる22時台の「通勤特急」西馬込駅行(土休日は京成上野駅行)について、改正後は停車駅の多い「快速」に置き換えられます。京成線ではほかにも、利用状況に合わせた列車本数の見直しや運転区間、種別の変更などを行うとのことです。
(京成線・北総線ダイヤ改正で増便されるスカイライナー、矢切駅延長列車の運転時刻など詳細は下の図表を参照)
運転区間延長も都内には行けず…
長年の懸案であった累積損失を解消した北総鉄道は2022年10月、平均15.4%の運賃値下げを実施しました。北総線内の移動を促進して沿線の活性化につなげるという値下げの趣旨に合わせ、同年2月と11月のダイヤ改正で大幅な増発も実現しています。
新設された普通列車は上下合わせて平日11本、土休日24本で、いずれも運転区間は千葉ニュータウン地区を中心とする新鎌ヶ谷駅〜印西牧の原駅(一部は印旛日本医大駅)間に限られていました。今回のダイヤ改正では、そのうち一部列車の運転区間が矢切駅まで延長されます。
矢切駅発着となる列車は、平日が日中9〜10時台と、帰宅時間帯にあたる18時台の上下計4本です。土休日は朝から日中にかけて上下計12本が矢切駅折り返しとなります。これにより、増便のメリットが千葉県内の北総線全域に波及するとともに、東松戸駅でJR武蔵野線に乗り換えることでベイエリアや埼玉方面へのアクセスも向上します。
都心方面への結節点となる京成高砂駅まであと2駅の矢切駅止まりなのは少し残念ですが、地域内の移動を促す「値下げの趣旨」が今回も忠実にダイヤに落とし込まれています。もっとも、これ以上延長すると列車本数の多い京成線との複雑なダイヤ調整が発生するため、まずは自社の北総線内で完結する改善を着実に推し進めるスタンスのようです。